マルチコプターについて 

ローターが4枚・6枚あるいはそれ以上のマルチコプターがこの1〜2年たいへんな人気で、
当店でもたくさんの機体を販売してきました。その経験のなかで、これまでの2枚ローターの
ラジコンヘリとは様々な点で違っていることを感じてきました。機体の構造ももちろんですが、
ユーザーの方々の目的も違います。

これまでのヘリコプターは、飛ばすこと自体を楽しみ、操縦のスキルをアップさせることが
主な目的でしたが、マルチコプターはその構造による飛行安定性により操縦も従来のヘリに比べて
容易です。GPSを使うなど最新技術で、これまでになかったことが可能になりました。
それにより、空撮や計測機器を積んでの飛行など、趣味ばかりでなく業務などへの利用も進んでいます。
ラジコンヘリコプターがこうして社会の広い分野にお役に立っていくのは私ども大いに喜ばしいこと
だと考えています。

ただ、そこにいろいろな問題も発生しつつあります。これまでラジコンをやってきた方々以外のユーザー、
飛ばすこと自体よりも、別の目的でヘりを扱う方々が増えつつあるのです。
ラジコンの基本的なことをご存知ない方、ラジコンヘリを経験したことがない方でも飛ばせてしまうのが
マルチコプターです。

そこで、そういった方々に対して、いくつかのアドバイスをいたします。ラジコン・ヘリコプターと
いうものがどういうものかというのを、まずはよく知っていただきたいと思います。

----------------------------------------------------------------

・ラジコン・ヘリコプターは墜落する危険性があります

あまりに当たり前のことですが、ヘリコプターや飛行機、空を飛ぶもののラジコンは、
何らかの原因で墜落する可能性があります。落ちれば機体に大きな損傷を受けます。また、何かに
ぶつかれば物損事故となります。もし人に当たれば大怪我をする可能性があります。

ですからこれまで、ラジコンヘリの飛行は、ラジコン専用の飛行場かそれに準じた広い場所で、
もし落下しても影響のないような所で、充分な安全管理のもとに行うのが常識でした。
しかし、屋外用のマルチコプターは、空撮などを目的とするため、これまでは飛行することが
なかった場所、建物の近くや街中、近くに人がいるところなどで飛ばす可能性が出てきました。
今後、人身・物損などの事故が起きる可能性が大きいのではないかと心配しています。

事故に対する備えとしては、ラジコン保険というものがあります。マルチコプターに限らず、
すべてのラジコン愛好者に加入していただきたいものですが、特に空撮を目的とする方々は
ぜひ保険に加入してください。


・落下の原因と、安全な飛行のために

まずは、操縦者の技術があります。これまで飛行機やヘリコプターのラジコンは、落として壊して
覚えていくものだと言われたほどです。普通のラジコンヘリコプターを趣味としてきた人で、
これまで墜落した経験のない人はまずいないでしょう。そうして経験を積みスキルアップしてきました。

マルチコプターは、経験がほとんどなくても、離陸・ホバリングができます。できてしまうのです。
だからこそ、経験不足などによって、誤操作をしてしまう可能性もあります。
操縦が容易であっても、空を飛ぶラジコンであるということ、常に落下の危険性があることを
まずは充分に認識してください。
そして、できればヘリの操縦がきちんとできる人に教わりながら練習をしてください。

GPS制御により、上空の1点でホバリングができたり、自動帰還ができたりするマルチコプターですが、
GPSは、時としてうまく受信できない場合もあります。
飛行練習では、GPSを使わずに離着陸・飛行できるだけの技術を身につけてください。それができれば、
万一GPSがうまく作動しなくなっても、パニックにならずにヘリを無事に着陸させることができます。

着陸は、離陸の何倍も難しいものです。空撮のために積んでいるカメラは精密機械です。ラフな着陸で故障
する場合もあります。普通のヘリ以上にソフトな着陸ができるように、練習を積んでください。


次に、送受信機を含めた機体のコンディションの問題があります。
GPSによる制御や、高性能ジャイロによってこれまでよりも格段に安定した飛行ができるように
なりましたが、それらはシステムがすべて完全に正確に作動していることが条件です。
精密な制御装置であるゆえに、何らかの原因でうまく作動しないということもありえます。
そら工房で販売する完成ヘリは、すべて調整・テスト飛行をしています。しかし何度か飛ばしている
うちに、調整が狂ってきたり、ご自分でセッティングを変えたりしてうまく飛ばなくなる場合もあります。

メカニカルな部分では、ローター(プロペラ)のコンディションも大いに関係します。ローターは常に
高速で回転して力を受けている重要なパーツで、墜落でなくても離着陸時にぶつけたりすると損傷します。
あるいは、小さなヒビが入っていたりすると、飛行中に割れる可能性もあります。もしも飛行中にローターが
割れたりすると、墜落する可能性が高いものです。
どんな飛行をしたかによって一概には言えないのですが、ローターは消耗品と考えていただき、
損傷がなくても定期的に新品に交換するように心がけてください。

次に、バッテリーです。バッテリーの管理には充分に気を使ってください。
飛行に際しては搭載しているバッテリーチェッカーによる電圧と、タイマーによる飛行時間の
ダブルチェックをしてください。


<機体に取り付けているバッテリーチェッカー。電圧が低下すると、警告音で知らせてくれます
 そら工房では、このバッテリーチェッカーを取り付けて販売しています>

 

これはプロポにストップウォッチをマジックテープで取り付けている例です。その他、小型のキッチンタイマー
などもアラームが鳴るので使いやすいです。携帯電話やスマートフォンのタイマー・アプリなども
利用できます。

最初のうちは、飛行時間の感覚がわからないものです。空撮などをしていると余計に時間を忘れがちです。
バッテリーチェッカーを接続し忘れている場合もあります。ぜひ、タイマーやストップウォッチで
飛行時間の管理を身につけてください。

飛行可能時間は、バッテリーの容量・飛行の仕方・風の状態などによって変化します。マルチコプターの
場合、風を受けてもそこでホバリングしているため、風があると無風時よりもバッテリーを消耗しています。
常に充分なバッテリーの余力を持って着陸するように心がけることも大切です。

バッテリーも、ローターと同じく消耗品です。きちんと充電・放電(使用)の管理をすれば、ある程度
長く使えるものですが、使い方を間違ったり過放電をさせると、性能が著しく低下したりします。

マルチコプターは、いわばコンピューター制御で飛んでいて、モーターと同じバッテリーを使っている
システムのため、電圧の低下などは制御にも影響します。

飛行に際しては、必ず予備のバッテリーをお持ちになることをお勧めします。バッテリーの突然の
不調の可能性もありますし、1本目はチェックに使うためです。
最初は、機体のコンディション、ご自分の体調などのコンディション、その場所の風などの状態などを
チェックするつもりで飛ばしてみましょう。

空撮をする場合などは、飛びなれた場所以外の初めての場所ということも多いはずです。
まずはその場所の風などの状況を把握して、無理のない範囲での飛行ができるかどうかをチェックすることが重要です。
1本目のバッテリーで予行演習をしてから、2本目のバッテリーで撮影などの本番の飛行を行う
というくらいの余裕をお持ちください。

飛行に際しては、バッテリーの他、上記のローター(プロペラ)の予備、最低限の工具、送信機用の予備の乾電池
なども必要です。



当社で販売している「ラジコン用ヘリポート」もお役に立ちます。
 

離陸するポイントがどんな場所であっても、スムーズな離陸ができます。

草地は、ソフトな着陸には最適ですが、離陸するときにスキッド(脚部分)が草にひっかかることがあります。
カメラを搭載したマルチコプターは、重心位置が高くなり、離陸時の転倒の危険性があります。
ヘリポートを使用することで、離陸時のひっかかりがなく、わずかに横滑りしながらスムーズな離陸ができます。
 
砕石敷きやアスファルト、コンクリートの路面も、スキッドがひっかかることがあります
 
こういう場所でもヘリポートは有効です。


ビデオ撮影では、離陸から着陸まで録画スイッチをONのままでOKですが、スチル写真の場合は、遠隔操作で
シャッターを押さなくてはいけません。カメラにインターバルシャッター機能がある場合は、それを使って
連続写真を撮れますが、機種が限られます。
そら工房では、お客様のご希望に応じて、シャッターを切るためのサーボを取り付けております。



この写真は、インターバルシャッター機能が無く・液晶モニターのタッチパネルシャッターがあるデジカメに
自作のメカニカル・インターバルシャッターを取り付けた例です。シャッターは連続で切れるため、
シャッター操作を気にせず、ヘリの操作に専念することができます。


-----------------------------------------------------------

以上、マルチコプターについて書きましたが、要は、高度な制御機能があるとは言え、空を飛ぶラジコン
であるということです。

操縦は普通のヘリに比べればやさしいですが、操縦者の技術は必要で、誰もが最初から自由自在に
飛ばせるものではありません。

ただ、きちんと操縦を覚え、常に機体のコンディションをチェックしていれば、安全に飛行させることができます。
これまでにない機能と、大きな可能性を持っているマルチコプターを、どうぞ大いに活用してください。